加水分解装置クニスターAZが地球の恒久性、及び人類に対していかに貢献できるかと云うことをあらゆる角度から検証し、その可能性について纏めた提案書であります。ご精読ください。

CO2削減に関する提案書

1日約70ton、年間約2万トンの一般家庭ゴミを
焼却処分する場合と、加水分解処理する場合の
環境に与える影響の比較を次に提示します。

一般廃棄ゴミは、焼却処分されると燃焼過程に於いて其のゴミ中の炭素成分量に比例した二酸化炭素CO2が発生します。(燃焼物全てに共通)
二酸化炭素は地球温暖化の大きな原因となっている温室効果ガスです。[京都議定書]の中で削減目標がはっきりと定められています。

本題に入る前に加水分解反応に付いて説明致します。

定義: 加水分解とは、化合物に『水』が作用して起こる分解反応である。
現象例 : 塩(NaCl)を水に溶かすと酸と塩基に分解する反応とか、有機化合物では、エステルや蛋白質などが水と反応して酸とアルコールやアミノ酸などが出来る反応などの事を云います。
叉、余り履かずに下駄箱に仕舞ってあった靴底のウレタンソールが履いた途端に罅割れを起こす、、この様な経験をお持ちの人も居られるかと思いますが是なども水(水分)が作用した加水分解反応に因る現象であります。
いずれの反応も常温、常圧の基で起こっている加水分解反応です、我々はあまり意識していないが日常的に起こっている至極普通の加水分解現象です。
しかし、ここで云う加水分解反応とはその様にスローライフ的な反応では有りません。それらの反応を、装置を用いて人工的に起こさせるのです。
其の方法とは !! 先ず、専用の圧力容器を用いて其の中に処理対象物を収納し、密閉状態にした後に高圧の飽和蒸気を投入するのであります。
容器中で『水』(蒸気)を高温(374℃)高圧(22MPa)以上の状態にすると超臨界水に成ります。此の雰囲気中に置かれればあらゆる物質は化学反応により全て分解されて何も残らず水とガスだけに成ります。

是が究極の加水分解反応です。

この度、提案させて頂きます加水分解反応は上記の超臨界水の手前の温度、圧力雰囲気(温度170~210℃、圧力15~20気圧)の亜臨界状態を作り出す装置での反応処理であります。

此の方式で処理を行えば全てを完全分解するのではなく、有機物の分子結合を、切り離し小分子化を行い、ゴミも資源と言う観点に立ち肥料原料や飼料として、叉は分解物から有効物の精製分離による取り出しや、カーボンニュートラルとしての燃料化などの様々な分野で有効利用が可能な物質、に変える事の出来る最も理想的な処理方法と云うことが出来ると思います。

特筆すべきは、此の装置で反応処理を行う際には、焼却方式で無いのでCO2其の他ダイオキシン等有害物質の発生が全く無いという事です。

この亜臨界状態による廃棄物の加水分解処理について、地球に与えるとても大きな良い効果を次に記述致します。

重ねて申し上げますが、この方式による分解工程で特に注目すべき事は、自然方式の分解(コンポスト方式を含む)に比べCO2は言うに及ばずメタンガス硫化水素ガスダイオキシン等の環境に悪影響を及ぼす有害物質の発生は全く無いという事で有ります。

後記の計算には複雑に成りますのでCO2以外のガスは除外致します、但しメタンガスも硫化水素ガスも地球環境に対して決して歓迎されるものでは有りません。特にメタンガスはCO2以上に温室効果の高い歓迎したくないガスで有ります、今回の計算には含めませんが総量に対して意識の中で加算して考えて下さい。

尚、文中に於ける加水分解処理と云う表現は、全て亜臨界状態での処理とご理解願います。

本題

一般廃棄ゴミを加水分解処理する事に依る環境への好影響を考察します。
加水分解処理により廃棄物処理を実施すれば、焼却処分をした場合必ず発生する二酸化炭素(CO2)を殆んど発生させず叉、有害物質であるダイオキシン等を全く発生させる事無く、極めて安全に処理する事が出来ます。
出来る限りゴミの焼却処理を無くして上記の方法で対応すれば、地球温暖化に対する抑止力と成り、少なからず貢献出来ると信じます。

一般廃棄ゴミを焼却処分した場合の二酸化炭素の発生量は !

加水分解処理装置クニスターAZ-4 (1バッチ処理量4㎥タイプ)を用いた場合の一回分の処理量は約1,400kgです、(但し、一般家庭ゴミの嵩比重を0.35と仮定した場合です。地域、ゴミの質により嵩比重は変わります。大きくなれば処理重量は増加します。)これを焼却した場合に発生する二酸化炭素(CO2)のガス量を計算します。
但しゴミ中に含まれる廃プラスティック類のみを対象とします、其の他のゴミ類はカーボンニュートラルの考えから排出量としてのカウントは致しません(H.18.3.24一部改定に依る)
二酸化炭素(CO2)の発生プロセスは燃焼物に含まれる炭素(C)が燃焼過程に於いて酸素(O)と結合する事に因り生成されるという事です。
化学式は、C + O2 = CO2です。
12個の炭素の原子と16×2個の酸素の原子が結合する事により 12g + 32g = 44gとなり、12gの炭素(C)が44gの(CO2)に成るのです。
皮肉な事に燃焼炉の管理と性能が良いほどCO2が多く発生します。
それは充分に酸素を供給し(空気過剰率1以上の状態と云う)いわゆる完全燃焼の状態にする事に因り燃焼物中の炭素(C)が全て酸素と結合してCO2に成るという事です。
1,400kgのゴミに含まれる廃プラスティック類の全炭素量が判れば、その炭素量に比例した二酸化炭素が発生するものとして発生量を特定する事が出来ます。
自治体の回収ゴミを例に取れば、地域によって差があると思いますが1,400kgの廃棄ゴミの内、約20%前後が廃プラスティック類と想定されますので本提案書では、ゴミ全量1,400kgに対して20%280kgを対象物として計算します。

環境省発表の[地球温暖化対策の推進に関する法律施工令第三条](H18.3.24一部改定)に依る「排出係数一覧表」を基に排出量を計算します。

その結果クニスターAZ-4型一回の処理量1,400kgの一般廃棄ゴミを焼却したとすれば 280kg × 2.69 = 753.2kgもの二酸化炭素(CO2)が発生する事と成ります。( 2.69 = 廃プラスティックの排出係数)
753.2kgの二酸化炭素(CO2)と言っても解かりにくいので物理定数表(アボガドロの定数)を用いて体積に換算します。
(CO2)は44kg/kmol,です1kmolの標準体積は22.4㎥Nなので753.2kgの体積は 753.2kg × (1/44) × 22.4≒383.5㎥N となります。
此の数値は、気温、気圧に依り若干の変動が有りますが、加水分解処理装置クニスターAZ-4で処理したならば一回の処理工程で約384㎥NものCO2の発生を削減出来るのであります。
因みに、冒頭の1日70tonのゴミを処理する為には、AZ-4型を八台用いて各機7回~8回の運転で対応出来ます。
(1.4ton×8台×7.5回×240日) 是で年間20,000tonの加水分解処理が達成できます。

20,000tonのゴミを焼却した場合の二酸化炭素(CO2)の発生量を算出致します。
20,000ton × 0.2 × 2.690 ≒ 10,760tonの二酸化炭素が発生します。10,760tonの二酸化炭素(CO2)の体積計算では、10,760,000kg × (1/44) × 22.4≒5,477,819㎥Nと成り此の量は、東京ドームを枡に例えれば約4.5杯分に匹敵する膨大な量であります。(因みに東京ドームの容積は、1,240,000㎥です。)
加水分解処理装置クニスターAZ でゴミを処理する事によりこの様に膨大な量の二酸化炭素(CO2)の発生削減が出来るのです。
しかし現実問題としましてこの処理装置には、ボイラーと装置駆動用のモーターが必要です、それらが機能する為には其れなりのエネルギーが必要です、当然其れに伴う二酸化炭素(CO2)の発生を無視する事は出来ません。
次にそれらの発生量を計算します。
20,000,000kg(2万トン)÷1,400kg≒(AZ-4型で14,286回の処理)

使用電力 (年間消費量の概算値)但し年間稼動240日を基とする。
装置本体(AZ-4 8基×7.5回) 11kw × 14,286回= 157,146kw
破砕機(2台各4時間/日) 37kw×2 74kw × 960/h = 71,040kw
コンベアー関係(6基) 2.2kw×6 14kw × 1,200/h = 16,800kw
ボイラー関係(4/tx4基) 37kw×4 148kw × 1,200/h = 177,600kw
クレーン関係(天井式1基) 5kw × 240/h = 1,200kw
年間使用電力合計 = 423,786kw
423,786kw × 0.36(排出係数)≒152,563kg(発電に伴う(CO2)発生量)
152,563kg × (1/44) × 22.4≒77,668㎥N(電力会社に依り多少の変動有り)

次にボイラー関係の燃料に関する二酸化炭素(CO2)の発生量の計算を致しますが、此の場合燃料として廃食油等を使用すればCO2の排出量の計上をしなくて良いと考えます。(植物由来=カーボンニュートラル) = (排出量 = 0)
ボイラー運転に伴う使用燃料に対する二酸化炭素(CO2)発生量の計算。
ボイラーの燃料消費量と燃料の種類別CO2の発生量比較

1回処理消費量x処理回数 = 年間消費量 排出係数
A重油の場合 80L/h × 14,286回 =1,142,880L/Y 2.71kg-co2/L
1,142,880L × 2.71≒3,097,205kg 3,097,205 × (1/44) × 22.4≒ 1,576,759㎥N
灯油使用の場合 85L/h × 14,286回 =1,214,310L/Y 2.46kg-co2/L
1,214,310L × 2.46≒2,987,203kg 2,987,203 x (1/44) × 22.4≒1,520,758㎥N
LPGの場合 60kg/h × 14,286回 = 857,160kg/Y 3.00kg-co2/kg
857,160 x 3.00≒ 2,571,480kg 2,571,480 x (1/44) × 22.4≒1,309,117㎥N
都市ガスの場合 78㎥/h × 14,286回 = 1,114,308㎥/Y 2.080kg-co2/㎥
1,114,308㎥ × 2.08≒2,317,760kg 2,317,760x (1/44) × 22.4≒1,179,951㎥N

以上、電力及び燃料に関する排出量を計算しました。

是により電気に関しては止むを得ないと思いますが、燃料に付いては数値的に見てCO2の発生量が一番少ない都市ガスの使用が望ましいと考えます。
重ねて提案しますが、ボイラー燃料に廃食油や、B.D.F燃料を使用すれば其の使用量に対してCO2発生量の計上は必用なくゼロカウントです。

CO2重量 CO2体積
電力に関して 200,429kg 102,037㎥N
燃料に関して(都市ガスの場合) 2,317,760kg 1,179,951㎥N
合計 (削減出来ないCO2の量) 2,518,189kg 1,281,988㎥N

加水分解処理装置により二酸化炭素(CO2)の排出削減をした量より電気、燃料などに因り発生する削減できないCO2の数量を最終的には、差し引いて計算値を出す必要が有ります。
その結果として、
重量では、 10,760,000kg - 2,518,189kg = 8,241,811kg 体積では、 5,477,819㎥N -1,281,988㎥N=4,195,831㎥Nと成ります。

以上に因り約2万トンの一般家庭排出ゴミを加水分解処理した場合には、
二酸化炭素(CO2)排出削減量は重量で、八千トン以上であり 体積では、東京ドームを枡に例えれば約3.5杯分です。
但し前記述にも有ります様に此の数値は、ゴミ全量中の廃プラスティック(約20%)のみに対する(CO2)排出量の算出となっています、他の80%のゴミの付きましてはカーボンニュートラルの考えで(CO2)排出量を計上していません。
地球温暖化防止の為、実現可能な事には積極的に取組みましょう。全国のゴミ焼却場を此の方式にすれば世界に誇れる二酸化炭素(CO2)排出削減貢献国となれると思います。
叉、この加水分解装置により処理された有機廃棄物は、土壌改良材、肥料用原料、叉は発電所その他の施設の化石燃料の代替燃料として、発熱量から見ましてもKg当たり5,000Kcal前後ありますから、継続的供給可能なバイオマス燃料として充分に利用可能なので有ります。それに因り発電所その他の施設でのCO2削減にも少なからず寄与出来るものと信じます。

 以上提案申し上げます

追記

本装置に投入するゴミに付いては、廃プラ等の分別を敢えて行う必要が有りません
但し、金属類、ガラス類、石、コンクリート類は分解できません。分別してください。
廃プラ類は、エンド型と云う化学的に証明されている合成ポリマーの分解原理に依り分解される事が、実証運転でも確認されており処理物中には残らず、無害化されます。加水分解処理品を燃料として利用した場合には、二酸化炭素(CO2)は排出されますが、カーボンニュートラルの考えに依り排出量としてのカウントはされません。
排出権の売買に付いて・・・・2006年度には、24件、82,624tonの排出権取引が行われています。其の内13件17,987tonの取引が、環境省が提供する排出権仲介サービ(GHG-TRADE.com)を利用して行われました。CO2/ton平均1,212円(900~2,500円)でした。今後、色んな取引形態が整備されて排出権取引が活発化すると思われます。

ページトップへ

Translate »