我が国では、一般家庭、農林畜産関係を併せて生ごみ、家畜糞等有機廃棄物が年間に8300万トン以上の物が排出されています。それらの大半が焼却、埋め立て処分されています。それに伴って大量のCO2やメタンガスが発生しています。
再生技術、有効再利用の分野ではまだまだ充分とは言えない現状で有ります。
1997年京都議定書締結、2017年パリ協定締結で叫ばれている地球温暖化防止対策の観点からも、その処分方法を深く考えなくてはならない最重要課題です。
それ等の問題解決の一つの手段として、有機廃棄物からバイオガスを回収して発電などに利用する方法が最近普及しつつあります。
然しながら、その設備は有機物の分解発酵槽のタンク設備が膨大なものに成り、設置面積、設備費用等初期投資が膨大なものに成って居ます。
それらを大きく圧縮する方法として、加水分解処理装置を提案いたします。
食品残渣、畜糞尿、木材藁屑等の有機廃棄物を加水分解処理する事により前記のタンク設備等を大幅に縮小する事が可能と成ります。
従来型の設備では、分解・発酵の反応時間は、30日以上を要します。
此の為、例えば日量100トンの廃棄物を処理しようと思えば最低でも、容量3,000立方メートル以上の反応タンクを用意する必要が有ります。
又、この方法は、微生物による分解・消化を期待する方法で有り、投入された有機物の30%~50%程度しか分解されず、大量の未消化有機物が残渣汚泥として発生することに成ります。当然の事としてこれらの残渣汚泥を適正に処理する設備が必要に成り、大型の堆肥化施設などが必要と成ります。
又、此の反応タンクは、微生物の生存の為に年間を通じて35℃~50℃位の温度を維持する必要が有り、膨大なタンクの温度を常に維持しようと思えば、その経費負担も大きなものに成ります。特に寒冷地の場合はその負担はなお大きな物と成ります。
その様な既設の設備に対して、加水分解処理装置(クニスターAZ型)を反応槽の前処理装置として導入する事により前記の負担を大きく縮小する事が可能でとなります。加水分解処理装置内では、従来型の反応タンク内で30日を要した工程が、僅か15分足らずで完了します。
有機廃棄物を(木片その他の大きな物は破砕)加水分解処理装置(クニスターAZ)に投入して(AZ-4型機の場合約2tonを投入から排出まで90分)加水分解処理をして、処理済品を反応タンクに送ります。
その時点で、従来反応タンク内で成されていた分解発酵の工程が大きく短縮されますから、必然的に膨大なタンクを使用する必要がなくなり、又、消化率も大きく成りますから、残渣汚泥の量も大幅に減り大がかりな堆肥化施設もその規模を縮小する事が出来ます。残渣汚泥は、液肥等の肥料として有効利用できます。
以上の通り、負担軽減の観点からバイオガス施設の前処理装置として加水分解処理装置クニスターAZの御活用を提案いたします。